こんにちは、朝比奈です。
本日は、「組織の未来はエンゲージメントで決まる」という本を紹介します。
組織作りや人材活用に悩んでいる方は参考になる本だと思いますので紹介します。
ぜひ、参考にしてください。
アマゾンの内容紹介から一部引用
「業績との相関が科学的に証明され、スターバックスやザッポスなど世界の成長企業が重要視する「エンゲージメント」とは? 社員がいきいきと働く組織づくりにこだわり続け東証一部上場を果たした注目の経営者と、組織理論の講義が人気のビジネススクール講師が実践事例と理論をもとに語る、組織・チームづくりの新常識。」
やる気のない社員が7割!日本企業の驚くべき事実
「企業にとって、人材の確保・維持がかつてないレベルで大きな課題になっていると言えるでしょう。そんな状況であるにもかかわらず、日本企業の全体的傾向としては、意欲あふれる社員はわずかで、やる気のない社員も多く、しかも若手が続々と辞めてしまうという状況が生じているのです。」P19
やる気のない社員が多いというのはほんとだと思います。実際によく聞きますしね。
それに僕の学生時代の友人を見ても思いますが、やる気があるヤツなんていうのはそうそういません。
ただ、それも仕方がないのかなと思っています。
だって、会社で一生懸命頑張ったからといって報われる世の中じゃないですからね。
それは、いま大企業を中心に行なわれている45歳以上のリストラを見てもわかるし、手取り額だって下がっていますしね。
しかも、いまだに多くの企業が年功序列なわけですから割に合わないと感じている若者は多いのではないでしょうか。
そう考えると、優秀な若手ほど辞めてしまうのもわかるし、やる気が出ないのも仕方がないのかなと思ってしまうんですよね。
ただ、そうは言ってもそんな姿勢で働いていたら企業から必要ない人材と判断されてしまう可能性もないわけじゃありません。
だから、投げやりになるのではなくて、どこでも働けるようにスキルを磨かないといけないのですが、そんな人材はほとんどいないんじゃないかなと思いますね。
みんなが新しい組織のあり方、新しい働き方を求めている
「現代の子どもには「なりたい職業」にユーチューバ―を挙げる子が多くいるそうです。懸念を示す大人がたくさんいますが、それだけ子供の目には働く大人たちが幸せそうに見えないのかもしれません。」P21
いまの子供たちが大人をどう見ているのかはわかりません。
わからないですが、僕が学生の頃は「社会人はつまらなそうだな」とか「辛そうだな」と思っていました。
おそらく、いまの子供たちも同じような感じに見ているんじゃないかなと思います。
間違いなく、社会人は楽しそうだとは思っていないでしょうね。
いろんなところで働き方に関しては議論されています。
議論されていますが、結局、どれが正しくてどれが間違っているなんてことはなくて、
その人に合っているかどうかなんです。
だから、合う形で働けばいいんですよね。
でも、日本は同調圧力が強い国なので自由な働き方を選べずにいます。
ただ、これからの日本では1日でも長く働くことが求められます。
そんな時代を生きていくわけですからもっといろんな働き方・生き方を許せる世の中になってほしいなと思いますね。
そうなれば、いきいきと働く大人も増えて、子供も仕事についての見方が変わるんじゃないでしょうか。
なぜ日本企業ではエンゲージメントが低いのか
「組織運営の揺らぎの中で、自社のあり方に疑問を感じたり、反発したり、裏切られた気持ちになったりした人が大勢いたとしても不思議はありません。」P77
エンゲージメントを上げるという観点で考えるのであれば、終身雇用や年功序列といった日本的経営が最適なんだと思います。
ただ、今後の経済の先行きを考えると、とてもじゃないですが、日本的経営を維持するのは難しいでしょう。
それは経団連の会長やトヨタの豊田章男社長の発言を見てもわかるはずです。
今後、日本企業がエンゲージメントを高めるためにはどうするべきかですが、まずは社員を囲おうとするのではなくて、副業や兼業を認めること。
そして、年功序列を辞めて、ちゃんと成果で評価するようにすること。あとは、ちゃんと社員に還元することです。
そうすれば、今よりはだいぶマシになるはずです。
結局、ずっと社員を雇用することは難しいわけです。難しいんだから若いからという理由だけで給与を下げるのではなくて、年齢関係なしに正当に評価するべきです。
そうなれば、だいぶ変わるんじゃないかなと思いますね。
サバティカル3
「1ヶ月くらい長い休みがないとできないことも多くあります。人生は一度切りなのに、やりたいことができないまま仕事だけして年月が過ぎていくのは残念です。」P156
日本の企業で長期休暇を取ることなんてほぼ不可能です。
というか、長期休暇どころか有給休暇すら取れない企業がいまだにあります。
そんな中で長期の休みが取れるなんてすばらしいことだと思いますし、もっと多くの企業で広まればいいなと思います。
さっきも言いましたが、今後は仕事をする期間が確実に伸びます。
伸びるんだから今以上に仕事とプライベートの折り合いがもっとつく企業が増えてほしいなと思うし、そうじゃないと社員はついてこないでしょうね。
ユーチューバ―より会社勤めを魅力的にしよう
「ユーチューバ―より、会社で働いている大人のほうが、楽しそうで、いきいきしていて、魅力的だ。子供たちがそう思えるような組織づくり・チームづくりをしていきたいものです。」P175
みんながみんな組織で働かないといけないわけじゃないし、逆にみんながみんな個人で働かないといけないわけじゃない。
要は、好きな方だったり合う方を選べばいいんです。
ただ、現時点では仕事をする環境として良くないので、会社員として働くことが魅力的に映らないのだと思います。
それを変えるにはやはり、組織作り・チーム作りを根本から変えるぐらいのことをしないとダメでしょうね。
変われば、社員だって会社に対する見方は変わるでしょうし、見方が変われば、エンゲージメントだって良くなると思います。
簡単なことではないですが、企業として生き残るためにも必要なことでしょうね。
楽しく働くことが成果を生み、よい関係が幸せな職場をつくる
「この十数年で、仕事選びにおいて安定性や待遇だけでなく「やりがい」や「意義」が重視されるようになりました。こうした傾向はますます強まっていくと考えられます。」P187
やりがいや意義を求められるようになったのも労働寿命が伸びてきたことが理由としてあるのかなと思いました。
もちろん、これからだって収入や安定性は大事ですよ。
大事ですが、人生の多くの時間を費やす仕事に価値を見い出せずにただ、時間が過ぎるのを待つような働き方は幸せじゃないし、楽しくないですよね。
現代は、60代や70代でも働いている人がたくさんいる時代です。そんな時代なわけですからやりがいや意義を求めるのも当然な流れなのかなと思いました。
感想
ベンチャー企業をやっていた頃を思い出しながらこの本を読んでいましたが、優秀な人材を定着させるのは本当に大変です。
でも、企業として強くなるためには優秀な人材がいないといけません。
今後は少子高齢化の影響もあって、今以上に採用が難しくなるだろうし、定着させることが難しくなっていきます。
従来の価値観でやっていたらいけないことは経営者や起業家なら感じているはずです。
自社のエンゲージメントで悩んでいる方はこの本を参考にしてみるといいかもしれません。
良いヒントが見つかると思いますよ。
本日紹介した書籍情報
【書籍名】「組織の未来はエンゲージメントで決まる」
【著者名】「新居佳英、松林博文」
【出版社】「英治出版」
【出版日】「2018/11/7」
【頁数】 「208ページ」