こんにちは、朝比奈です。
今回は、西村創一朗さんの「複業の教科書」を書評します。
2018年は副業解禁元年なんて言われていて、多くの方が副業に興味を持っているのではないでしょうか。
実際に始めたという人もいると思いますが、多くの人はまだ始めていないはずです。今後は多くの人が副業を検討しなければならない状況になると思いますので、今回はこちらの本を紹介します。
では、はじめていきます。
アマゾンの内容紹介から一部引用
「今の仕事を捨てることなく、しかし、それだけにしがみつくことなく、稼ぐ力を身につけ、新たにスキルアップや出会いの経験を増やしていくキャリアルート。「やりたいこと探し」や「適性チェック」にぴったりの機会にもなる、ほぼノーリスクの方法が「複業」なのです。本書では、副業とは違う、会社にゆだねていたあなたの人生を取り戻すためのこれからの働き方のスタンダード「複業」のはじめ方を紹介します」
会社のために働いても、会社が労働者の人生を守れなくなった
「技術革新のスピードが速くなり、企業にとっては「10年後も存続しているかさえ保証できない」時代です。従業員の生活を守り切ることが約束できない時代だからこそ、副業を容認せざるを得ないというのが本音ではないでしょうか。」P31
うん、その通りでしょうね。
副業を容認することについて、世の中の経営者達は色々言っていますが、副業を認める本当の理由は従業員の生活を守れる保証がないからです。
副業を容認するということは良い人材を獲得するチャンスでもありますが、逆に失う可能性もあるわけです。転職市場で人気のある企業ならともかく、どこの企業も人材を失いたくはありません。
でも、これだけビジネス環境の変化が激しい現代だと最後まで面倒を見ることは厳しい。だから、副業を容認するというのが企業の本音です。
大手を中心に「副業」の流れはどんどん広がっていくと思いますが、まだ副業を認めてる企業は良心的です。なぜなら、外を向くチャンスを与えているわけだから、
一番良くないのは従業員の生活を守り切れる保証がないのに自社の目先の利益だけを追い求め、社員を縛ろうとする企業です。
「必ず最後まで生活を保障する!」と言い切れるならいいですが、そんなことは現代では難しいことを企業経営者なら一番よくわかっているはずです。
それなら副業を認めるのは当然ではないかと個人的には思いますね。
フリーランスとして活躍できる力がなければ生き残れない
「定年と同時に、「新たなキャリアのスタート」を切ることになり、今後は多くのケースがフリーランスの道を選ぶことになるのではと思います。」P36
今後の日本を考えると、年金も期待できないですし経済も縮小していきますから定年後働かなくても生活できるという人はほとんどいないでしょうね。
なので、定年後にフリーランスとして働くか、アルバイトで生活をするか、自分でビジネスをするか、というのが当たり前になっていきます。
以前のようなどこかの企業に入社し、定年まで一生懸命働き、老後は悠々自適に生活する。というのはとてもじゃないけど、今は無理。
だから今、20代30代の人は会社以外でお金を稼げるように勉強すべきだし、実際に自分の力でお金を稼げるようになるべきです。
僕も含めて、今の20代~40代は厳しい「個」の時代を生きていかないといけないわけですが、チャンスでもあるので前向きに捉えて、どんどんチャレンジしていってほしいなと思いますね。
「とにかく頑張る!」とオーバーワークで生活が破綻してしまう
「周りを見ていても、真面目で奉仕精神が高い人ほど、本業と複業のオーバーワークループにハマってしまうようです。」P156
最終的には自分のビジネス一本で生きていくべきだと僕は思っているのですが、そう思う理由の1つがこのオーバーワークによる生活の破綻があります。
最初から効率を求めてもいいことなんてないので最初はどうしてもオーバーワークになってしまいます。
でも、それがずっと続いて常態化してしまうのは問題です。
どう頑張っても僕らの時間は1日24時間しかありません。本業で8時間働いて、そこから複業をしていたら必ず自分の趣味の時間だったり、家族との時間を犠牲にすることになります。
僕はそれはおかしいと思うので「今すぐ会社を辞めて、起業しろ!」とは言わないですが、どこかのタイミングで複業を本業へと変え、自分のビジネスだけに専念すべきだと思いますね。
じゃないと、仕事より大事なモノを失うことになりますから。
目先の儲けに走らず、貯信せよ
「自分が目指したいキャリアビジョン、ライフビジョンを達成するための手段として複業をとらえて、「お金は後からついてくる」と考えましょう。」P179
僕は違うと思いました。
著者は「欲しがられる人」になるためと書かれているのでそもそもの方向性というか、考えが僕とは違うのでしょうがないと思いますが、これからの時代は「欲しがられる人」ではなく、「自立した人」を目指すべきです。
いくら市場価値を高め、欲しがられる人を目指したとしても結局、それでは自分のコントロールできないところで人生が決まってしまいます。
30代なら転職をするなりして回避することもできますが、40代以降になれば転職は難しくなります。
そうなると、起業や独立をしない限りはその後の人生を会社に預けることになります。
それで逃げ切れるならいいですが、逃げ切れないのが現代なわけですから欲しがられる人を目指すのではなく、国や会社が万が一、無くなったとしても生きられるように「自立」するべきだと思います。
あと、本の中で書かれている「貯信」の必要性、大事さもよくわかるのですが、まずはお金という結果を出すことを最優先すべきです。
「お金は後からついてくる」を呪文のように言い、勉強だけして満足している方がいますが、それでは本当の意味での安定は訪れません。
これは既婚者の例になりますが、副業をするとどうしても会社以外の時間を使って仕事をするわけですから家庭から不満が出やすくなります。
その時に「お金は後からついてくる」なんてパートナーに言っても決して、理解はしてくれません。それよりも目に見える形での結果(お金)を出し、安心させてあげるのが副業をする上でのコツです。
起業家でも最初に夢や目標を掲げ、そこだけを見て始めてしまう方がいますが、大抵、数年後には消えていなくなります。
副業だからこそ、貪欲にお金を稼ぎに行き、会社以外でも稼げる経験、稼げる力を身につけるべきだし、その後に本当のしたかったこと、理想の働き方を求めるべきだと僕は思います。
人生100年時代に身につけたい7つの資質とは
「これから必須となるのは、どんな環境でも柔軟に活躍できる対応力。」P241
僕が大事だと思うのが場所に縛られない働き方ができることと語学かなと思います。
場所に縛らなれない働き方ができれば、生活コストのかからない場所に移動することもできます。
経済が縮小していく中ではどれだけ固定費を下げられるかが大事になってくるので、場所に縛られない働き方ができるようになれば、非常に楽になります。
逆に場所に縛られた生き方しかできないとしんどくなるので場所に縛られない働き方をまずは求めるべきです。
あとは、語学ですね。
語学の問題は解決しそうで解決しません。今後もなんだかんだ言って、あと数年は解決はしないのではないかと個人的には思っています。
先ほど、生活コストがあまりかからない場所に移動することが大事と言いましたが、語学に問題がなければ、日本ではないところで生活することも可能になります。
それに語学が堪能であれば、日本以外の市場でビジネスをすることも他の人より簡単になるわけですからやっておいて損はないでしょう。
特に今後は内需だけでは年々、しんどくなるだけですので外需も意識していかないといけないので語学も学んでおくことをおすすめします。
感想
全部読んだ上で、ここは取り上げたほうがいいだろうと思ったところを5つ取り上げてみました。
本の中にも書かれていますが、今後は多くの方が副業をすることになります。それは間違いないでしょう。
その時に大事なのは欲しがられる人材を目指すのではなく、自立した人を目指すことです。
欲しがられる人材を目指してよかったのは日本経済が右肩上がりに成長していた経済大国だった時代の頃の話です。
これからは経済はどんどん縮小し、落ちていきます。
そんな時代を生きていくわけですから欲しがられる人材を目指していたらいつまでも国や企業に振り回され、本当の意味での安定は訪れません。
「今すぐ起業しろ!」とは言いませんが、副業はできる時代になったわけですから企業の目なんて、気にせずにどんどん複業を始めていきましょう。
本日紹介した書籍情報
【書籍名】「複業の教科書」
【著者名】「西村 創一朗」
【出版社】「ディスカヴァー・トゥエンティワン」
【出版日】「2018/12/13」
【頁数】 「263ページ」