こんにちは、朝比奈です。
本日は、「凡人起業」という本を書評します。
今回もかなり長めの書評になってしまいましたが、ぜひ参考にしてください。
では、はじめていきます。
アマゾンの内容紹介から一部引用
「あなたは仕事ができる人材でありながら起業など考えもせず、もしかしたら会社で「消化試合」をしてしまっているもったいないサラリーマンになってはいませんか?そんなあなたに、本書は「起業」の視点を注入します。それが「起業を民主化」し、ひいては日本全体の生産性を上げ、日本の未来を明るくすることにつながると思うからです。」
スキルより時代の波に乗ることを考える
「このときぼくの中に深くインプットされたのが、「つくりたいものをつくるよりも、時代に乗ることのほうが大切だ」、そして「最高のものである必要はない。成長市場で誰よりも先にやるとうまくいく」でした。」P18
起業の多くが失敗で終わってしまう理由の1つとして、「作りたいものを作ろうとするから」というのがあります。
別に作りたいものを作ることが悪いわけではありません。でも、その作ろうとしているものに需要がない場合や需要があってもマネタイズまでに時間がかかる場合はキャッシュに余裕がない起業直後だと会社が潰れてしまう可能性があります。
潰れるか潰れないかの精神状態では冷静な判断はできないので、一番はやりたいこととかスタイルを一度忘れて、貪欲にお金を稼ぎにいくことです。
そして、ある程度お金に余裕ができた段階でやりたいことをやるのがベストでしょう。
銀行やVCなどから資金調達ができるのであれば、最初から作りたいものを作ることに専念するのもいいでしょうが、できない場合はまずは貪欲にお金を稼ぎに行くことを意識すべきですね。
あと、本の中に書かれている「最高のものである必要はない」っていうのはそうですね。
最高のものを作ろうとして、時間をかけるぐらいだったら6割とか7割の出来でいいからやるべきです。
で、やった後に改善点や修正点がでてくるのでそこを改善していく。それがベストです。
現代はとにかくスピード感がすべてと言ってもいいくらいなので「最高のものである必要はない」っていうのは覚えておいた方が良いですね。
お金がかからない業界を選ぶ
「ネットサービスのビジネスは素人でも始められます。物理的に移動してもらう必要もなく、24時間365日営業できますし、設備投資はほぼ不要です。」P21
本の中で「勝ちやすい手段より負けづらい手段を考えることが大切」と書かれているのですが、僕は負けても致命傷にならないビジネスを選ぶことが大事だと思っています。
なぜなら、どんなビジネスを選んだとしても大抵、一度は失敗するからです(失敗の程度は別として)。
失敗するのは仕方ないことだとして、大事なのはその失敗をどう次に生かすかです。万が一、失敗しても致命傷にならないビジネスならすぐに立て直すことができます。
でも、それが多額の借金を背負うようなビジネスだった場合、致命傷になってしまい、再起は難しいかもしれない。
だから、仮にダメだったとしても致命傷にならないビジネスを選ぶべきです。
じゃあ、その致命傷にならないビジネスとは何かというと、本のなかにも書かれているネットサービスのビジネスです。
ネットサービスのビジネスなら始める際もほとんどお金はかからないし、仮に失敗したとしてもどこかからお金を借りるようなビジネスじゃないから致命傷には絶対ならない。
でも、それが飲食などの店舗系ビジネスだったら数万円で始めるなんてことはできないから失敗すると致命傷になってしまう可能性が高い。
だから、今からビジネスを始めようと思うならネットに関するビジネスを立ち上げるべきです。
店舗系のビジネスが悪いわけじゃないですが、10年20年続けていくことを考えると非常にハードルが高いので趣味でやるぐらいの資金力がない場合はネットに関するビジネスから始めるべきでしょうね。
「起業したほうが将来明るい」と考える東大生が増えてきた
「安くつくれ、流通コストがなく、お金も利用できますから、起業という選択肢が現実的に取りやすくなったのです。起業か大企業へ就職かを冷静に考えた場合、起業したほうがアドバンテージが出るかもしれないという端境期が今だといえるでしょう。」P59
去年ぐらいから東京大学に近い本郷が「本郷バレー」なんて言われだして、本郷にスタートアップ企業が集まりつつあると聞きます。
昔は東大生は官僚になるか、大企業に入るか、というイメージでしたが、だいぶ変わってきましたね。
今後は東大生に限った話ではなく、優秀な若者は起業が選択肢になってくるだろうし、海外の企業で働くことを考える人も増えるはずです。
だって、少子高齢化を迎える日本でこれから官僚や大企業に入っても報われないのは誰でもわかるからです。
だから、優秀な若者が以前とは違う選択肢を選ぶというのは不思議じゃないし、今後は加速度的に増えるだろうなと思いました。
フェイスブックを「仕事場」ととらえる
「情報発信など、プロ化に向いているツールがフェイスブックなので、「フェイスブックは仕事場だ」と割り切って使いましょう。」P84
情報発信をしている人はまだまだ少ないですが、情報発信は会社員の方もやるべきです。
むしろ、会社員の方こそ、やるべきですね。
というのも、これからの時代はよく言われているように「個人」の時代になっていきます。そうなると情報発信スキルがあるかないか、でだいぶ出来ることだったり、見える景色が変わってきます。
なので、まだまだやっている人が少ない今のうちにやっておくことをおすすめします。みんながやりだしたぐらいでは遅いですからね。
で、それを踏まえた上ですが、発信媒体としてフェイスブックは悪くないんですけど、メディアとして衰退気味なので今からやるならツイッターかユーチューブをやるといいです。
ユーチュブの場合、動画になるのでハードルが高くなりますが、今後は必ず動画コンテンツの時代が来ますから押さえておいて間違いないですし、ツイッターも日本の匿名文化が終わらない限りはこれからもしぶとく残るでしょうからやっておくといいです。
しかも今紹介した2つの場合、簡単にマネタイズできるのでおすすめです。
スティーブ・ジョブズでさえも過去から未来が生まれると信じていた
「スティーブ・ジョブスでさえも、アイデアとは降ってくるものではなく過去から生まれてくるものだとスピーチしています。」P208
本当その通りですね。
今、世の中で流行っているものも過去に流行ったモノが再評価されたものだったり、時代に合った形で再登場したものばかりです。
だから、アイデアとは降ってくるものではなく、過去から生まれてくるのはそうだなと思いました。
感想
これから日本が大きく変わっていくので自然と「起業」に対する見方は変わるだろうし、もっと身近な存在になるはずです。
起業については、失敗すると悲惨な人生になるといったような誤解をしている人はまだ多いですが、今後はだいぶ変わるはずです。
もちろん、悲惨な人生になってしまう起業の仕方もありますが、その方法で起業しなければいいだけのことですからね。
じゃあ、どうやって起業したらいいのか?という部分についてはこの本が詳しく書いてくれているので、気になる方は読んでみるといいのではないでしょうか。
「起業は簡単だよ!」なんて言うつもりはありませんが、今後は多くの方が自分でビジネスをしないといけない状況になりますから読んでおくことをおすすめします。
本日紹介した書籍情報
【書籍名】「凡人起業 35歳で会社創業、3年後にイグジットしたぼくの方法。」
【著者名】「小原 聖誉」
【出版社】「CCCメディアハウス」
【出版日】「2019/3/20」
【頁数】 「224ページ」