こんにちは、朝比奈です。
今回は、「藤原先生、これからの働き方について教えてください。」を書評します。
今回もだいぶ長くなってしまいましたが、ぜひ、最後までお読みください。
では、はじめます。
アマゾンの内容紹介から一部引用
「本書では、リクルート社フェローから民間人校長へと転身し、教育界に前代未聞の変革を巻き起こし続ける藤原和博氏が、21世紀の「成熟社会」を生き抜くための働き方を講義します。」
「信任(クレジット)の三角形」をつくる
「一つの分野で道を究めて100万分の1を目指すということは、フィギュアスケートで羽生結弦くんを目指すのと同じで、99万9999人を打倒しなければなりません。そこには人並みはずれた努力と才能と運が必要です。」P34
落合陽一さんの本にも書かれていましたが、何か一つの分野、道を究めていくのはとても難しいというのは間違いないでしょうね。
特にこれからはさらに難しくなっていくと思います。
もちろん、究めていくことは悪いことじゃないので目指したい人は目指せばいいと思います。でも、起業家・経営者目線で考えるとリスクが高すぎるとどうしても思ってしまいます。
なぜなら、その目指している分野、道がなくなる可能性が現代なら十分あり得るからです。
それを踏まえた上でその道を究めたいのであればいいですが、そうじゃないなら本の中でも書いてあるように3つの掛け算でオリジナルを目指した方がいいだろうなと思いました。
時代的にも今後はより”オリジナル”とか”等身大”であること、いることが求められる時代なのでなおさらオリジナルを目指すべきだなと思いました。
「成熟社会」が始まった!そこで求められる人材とは?
「現在は、それぞれ一人一人が自分独自の幸福論を持たないと、幸せになれない時代になりました。こういう時代においては、教育も変わらなければなりません。」P61
本の中で著者は成長社会はみんな一緒だったけど、成熟社会はそれぞれ一人一人になった。だから、独自の幸福論を持たないと幸せになれない時代になったと書いています。
これについて、僕も同意で各々が自分の人生について深く考え、答えを見つけないといけない時代になったと感じています。
なので、人によってはすごく生きやすい時代になってきたな、と思います。
でも、一方で多くの人は成長社会の頃の考え方で今も生活しているので生きづらいと感じているだろうし、不安だと思っているのではないでしょうか。
しかも、今はSNSが登場したことであらゆるものが可視化されているので嫌でも影響を受けてしまいがちです。
そうなるとなおさら他人と自分を比較してしまい、幸福度は下がってしまうはず。
教育が変わらないといけないのももちろんそうですが、働き方も変えないとダメですよ。
みんなが同じ格好で同じ時間、同じ曜日、同じ場所に、行く必要なんてないし、もっといろんな働き方があっていい。
高度経済成長期は「みんな一緒に!」を合言葉にやってきましたが、そろそろ、その考えを考えないと息苦しくてしょうがないと思います。
「正解主義」から「修正主義」へ。イノベーションを起こす人の頭の使い方。
「正解主義で鍛えられた頭のまま、1日の7割とか9割がた、情報処理的な業務をこなす日々を送っていると、完全に頭が正解主義に偏ってしまいます。当然、良いアイディアは出てきません。イノベーションなど望むべくもない。」P67
「日本はイノベーションが起きない」とよく言われますが、正解主義でずっとやってきたからなんでしょうね。
イノベーションが起きない理由としては、それ以外にも国として多様性が欠如しているというのもあるし、出る杭は打たれる文化があります。
よく考えてみるとそりゃあ、イノベーションは生まれにくいですよね。
イノベーションもそうですけど、起業もそうですよね。
僕は起業してから長いのでいろんな人に相談を受けるんですが、相談を受けて思うのは「ミスしちゃいけない」って思い込んでいる人が多いなと感じます。
別にそう思うこと自体は悪いことではないんですけど、ミスしちゃいけないに縛られてしまうとチャレンジをしようという気にならないですからね。
これも正解主義が強く残っているからなんでしょうね。
上司も親も「正解の束」ではない。リーダーになったら”弱みのプレゼン”をしましょう。
「上下のコミュニケーションをよくするためには、ある意味、上司も弱い存在なのだということを分かっておいてもらう。これはとても大切なことです。」P160.161
本の中で「完璧だと感じる相手に人は弱みを見せられません」と書いてあるんですが、本当そうなんですよね。
完璧を演じてしまうと部下は情報を隠してしまうっていうのはよくあります。だから、コミュニケーションを良くするためには絶対話したくないような過去の話を話すとだいぶ距離感が縮まります。
僕も最初、起業したときは若かったので舐めらないようにとにかくデキる人を演じていました。
でも、そうするとコミュニケーションが全然とれないですよね。だから期待していた部下に辞めちゃったり、コミュニケーションが取れないがために問題が起きたりしていました。
弱みを見せることで身近な存在だと感じてもらうのは非常に大事です。男性の場合、意外とできていないので注意するといいですよ。
時代に即した”修正主義”でアップデートして、スタバはスタバになりました。
「最初から正解の姿があり、そこに向かってまっすぐに進んできたわけではなく、修正主義でアップデートし続けた結果として今があるのです。」P205
本の中で「100回の会議を重ねてもムダ。まずは小さく始めてしまってから、100回修正を続ける」って書いてあるんですが、本当そうです。
特に自分でビジネスをするのであれば、この修正を続けることが大事です。間違っても一発で当てようとしちゃダメ。
なぜなら、当たらないから。
一発で当てるなんて、イーロンマスクとかピーターティールぐらいの天才起業家じゃないと無理です。
彼らでも修正しまくっていると思いますが、それぐらいのことなんですよ。
なぜか、一発で当てようと会議ばっかしてる人が多いですが、会議する暇があったらどんどん試したほうが早いですよ。
ビジネスはスピード勝負ですから。
感想
令和がどういう時代になるかはわかりませんが、働き方・生き方が大きく変わることは間違いないでしょう。
じゃあ、どう変わるのか?というと、正解がなくなると思います。
昔なら一生懸命勉強して、いい大学に入って大企業を目指すというのが正解とされていましたが、今はそうじゃなくなってる。
それはおそらく、多くの方が感じていると思います。
じゃあ、これからの時代の正解はなにかというと、人によって正解が違うというのが正解なんでしょうね。
だから、自分で考えないといけないし自分で決めていかないといけない。国や企業が言っていることを信じてやっていたらどうやってもつまらない人生だと感じる世の中になるはずです。
まだまだそのことに気づいていない人が多いですが、本の中で著者が言っているように2020年のオリンピック以降大きく変わるはずです。
今後の働き方に迷っている方はその前にこの本を読んで考えてみるといいかもしれません。
本日紹介した書籍情報
【書籍名】「藤原先生、これからの働き方について教えてください。 100万人に1人の存在になる21世紀の働き方」
【著者名】「藤原 和博」
【出版社】「ディスカヴァー・トゥエンティワン」
【出版日】「2015/12/26」
【頁数】 「264ページ」