こんにちは、朝比奈です。
今回は、「ファンベース」を書評します。
最近、オンラインサロンとかファンクラブが流行っていますが、今後の日本ではファンをベースにしたビジネスが大事になってくるだろうと思っているので、今回はファンについて詳しく書かれている「ファンベース」を紹介します。
アマゾンの内容紹介から一部引用
「人口急減やウルトラ高齢化、超成熟市場、情報過多などで、新規顧客獲得がどんどん困難になっているこの時代。生活者の消費行動を促すためには「ファンベース」が絶対に必要だ。それは、ファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的に売上や価値を上げていく考え方であり、その重要性と効果的な運用の方法を、豊富なデータや事例を挙げて具体的に紹介する。」
ファンとは少数であり、全体の20%くらいである
「ファンベース施策のとき一番間違えがちなのは「全員にファンになってもらいたい」と望んでしまうことだ。」P89
誰でもみんなに愛されたいし、好きになってもらいたいし、評価されたいんですよね。
でも、それは不可能です。
だって、一人一人価値観や考え方は違うわけですから全員が認める存在なんてあるわけない。
特に今後はその傾向が強くなるのではないかと思います。
だから、ファンを意識したビジネスが大事になってくるんでしょうね。
そう考えるとこれからの時代はやはり、企業より個人とか少数の人間が強いんだろうなと思います。
別に大企業とか大きな組織だとファンになってもらいにくいというわけではないですが、親近感を感じやすいのってどうしても身近な存在だと思うので個人が強いだろうなと思います。
創業ストーリーや苦労物語、開発ストーリーなどをもっと前面に出そう
「この中で、ボクは、日高屋とCoCo壱番屋とスターバックスだけ、なぜか社長(創業者)の人生とその経営哲学を知っている。ネットで読んだかテレビで見たか新聞で読んだか忘れてしまった。でも、社長のストーリーを知っている。」P128
これ、すごくわかるんですよね。
僕も自分で会社をやっているから余計そう思うのかもしれないですけど、創業者の想いとかその商品の開発ストーリーを知ると応援したくなっちゃうんですよね。
だから、本の中で著者がマツダの開発ストーリーを知って、「どこにでも走っているクルマ」から「ボクにとって特別なクルマになった」と書かれているのもよくわかります。
でも、この創業者ストーリーとか苦労物語、開発ストーリーって本来はどこにでもあるはずなんですよね。だって、どこの企業だってずっと順風満帆なわけないですから。
創業者のストーリーとか苦労物語、開発ストーリーって、表に出していない企業が多いですが、今なら簡単に情報を発信できる時代なんですから発信した方が良いですね。
発信することで知ってもらうきっかけになるかもしれないし、周囲からの見られる方も変わったりすると思いますしね。
日本人は、世界で一番、自分が働いている企業を信頼していない
「日本の多くの企業で社員は自分が働いている企業を信頼していないのであれば、社員から信頼されている企業は「目立つ」ということだ。」P158
確かに、自分が勤めている企業を信頼しているというか褒めている方っていないですよね。
唯一、僕の友人でひとり自分が勤めている企業を「良い企業だ!」と言っているヤツがいるんですが、僕はその友人のおかげ?でその企業に対して、とても良い印象があります。
本の中でも書かれていますが、今はなんでもネットやSNSでわかってしまう時代です。だから、外面が良くても内面が悪いとすぐにばれます。
働いている人に信頼されている企業は僕の友人のように周りにも話すし、その友人もその話を信じ、良い企業だと思ったりします。
それぐらい友人の言葉って信憑性がありますからね。
最近、人手不足問題が深刻化していますが、働いている人に支持される会社を作れば、人手不足の問題もだいぶ解消されるだろうなと思いました。
あなたの「価値観」を謙虚に隠しておく時代ではない
「もともと「大切にしている価値」がある程度はっきりしている場合は、まずそこを明確に前に打ち出すべきであろう。そうすると生活者はその価値にもっと気がつきやすくなる。今ファンの人も、なんとなくだった支持がより明確になり、もっと好きになる。そして、その中の一部がコアファンにまでなってくれている。」P178,179
今はネットやSNSを通じて、想いを簡単に発信することができます。
昔だったら発信する媒体が限られたのでマス向けの内容になってしまいがちでした。だから、当たり障りのない内容しか発信できなかった。
でも、今はインターネット、SNSが登場したことで自分の価値観とか考え方を発信することができるようになった。
なのに意外と発信している人は少なくて、それがすごく勿体ないと思います。
僕も色んな媒体で情報を発信していますが、これも明確に伝えたいものがあるからやっているわけです。
僕の考え方だったリ価値観は万人受けではないかもしれないけど、一部の人は必ず共感してくれます。
何か伝えたいメッセージがあるのであれば、どんどん発信していったほうが面白いし、ビジネス的にも有利なのは間違いないのでまだやっていない方は発信してみたほうがいいですよ。
「悪の帝国」的だったマイクロソフトのイメージが変わった瞬間
「ある社員がビデオ片手に社内を歩き回り、社員たちを赤裸々に見せていくビデオ・ブログを公式サイトにアップし始めただけである。でも、そこには「人間」が映っていた。みんな人間臭いのだ。そして誇りをもって働いている。」P209
本当ちょっとしたことで企業のイメージで変わるんですよね。
僕はテレ東のカンブリア宮殿が好きでよく見るんですが、カンブリア宮殿に取り上げられると色んな企業とか商品の物語を知れて、イメージが変わります。
先日もカンブリア宮殿でメゾンカイザーが取り上げられていて、銀座にある木村屋の長男がメゾンカイザーの社長なんだっていうのを知って、そこに至るまでの背景を知れたことでメゾンカイザーに対する見方がだいぶ変わりました。
同じようなことってたくさんあると思うんですよね。
だから、売り手の人間は商品を作っている過程とかそこに携わっている人間の様子だったリ、仕事にどう取り組んでいるかってもっと伝えるべきだと思います。
必ず共感してくれる人はいるはずですし、最高の差別化になると思いますから。
有名社員がいるなら、その人の「等身大の発信」を増やしていく
「有名社員がいる場合、その人をもっと前面に出したほうがいい。それは創業者や社長だけでなく、カリスマ店員やスター開発者、褒章職人、仕事に関係ない技能をもった名物社員でもいい。その人の「等身大の発信」を容認し、増やし、その「人間」をもっともっと見ていくことだ。それが企業への応援につながっていく。」P212
この部分を読んでいて、頭の中に出てきたのが幻冬舎の箕輪厚介さんですね。
あの方こそ、まさしくここに書かれていることを体現している方だと思います。箕輪さんが活躍すればするほど、企業への応援に繋がっているなというのはSNSを見るとよくわかります。
だから、有名社員とか会社のアイコン的な存在がいるならどんどん前に出て、発信をしたほうがいいですね。
そういった存在が会社にいるかどうかで今後はだいぶ変わってくるだろうなと思います。
感想
昨日、新元号が「令和」に決まりましたが、「令和」の時代は超少子高齢化社会と向き合わなければいけません。
そうなると多くの企業が苦戦を強いられると思いますが、その超少子高齢化社会で活躍するために大事になってくるのがファンとのつながりです。
最近、オンラインサロンなどのコミュニティが流行っていますが、あれもこれから来る時代の形を示しているのだと思います。
規模を拡大していくのは難しい時代ですが、コミュニティ化、ファン化ができれば難しくない時代だとも思うのでファン化を意識した経営を多くの経営者・起業家はすべきでしょう。
そのファン化をする為に大事なことは「ファンベース」に書かれているので興味がある方は見てみたらどうでしょうか。
本日紹介した書籍情報
【書籍名】「ファンベース」
【著者名】「佐藤 尚之」
【出版社】「筑摩書房」
【出版日】「2018/2/6」
【頁数】 「288ページ」