こんにちは、朝比奈です。
今回は、佐藤航陽さんの「お金2.0」という本を書評したいと思います。
僕らがわかっているようでわかっていないお金や新しい経済の歩き方について、本の中で詳しく紹介されています。
若者はもちろんですが、中堅・ベテラン社員の方でも参考になる内容が書かれていますので、今回は紹介していきますね。
ぜひ、参考にしてください。
アマゾンの内容紹介から一部引用
「仮想通貨、フィンテック、シェアリングエコノミー、評論経済。「新しい経済」を私たちはどう生きるか。メタップス創業者が明かす、資本主義の先の世界。」
持続的に成長する組織の条件
「現代では、お金以外の欲求が高まっています。自分がその会社で働いていることで社会的な承認が得られるか、若年層であれば異性からの評判がいいかなども重要になります。」P67
引用した部分を読んでいて思ったのが、以前のようにとりあえず給与だけ高ければ、あとはなんでもいいという人は減ってきていると思いました。
昔は、とにもかくにも給与が大事でした。
でも今の若者はお金も大事だけど、それ以上にやりがいや働く意味を求めている気がします。
理由としては、人生100年時代、超少子高齢社会を迎える中で以前のような定年までがむしゃらに働いて、老後は悠々自適な生活を送るというのができなくなるというのを理解しているからだと思います。
だから、多くの時間を費やす仕事になんらかの意味を求めている人が増えているのではないでしょうか。
とは言っても、公務員が人気の職業としてでてくる国なので安定を求めていることは間違いないですが、徐々に仕事に対する考え方・価値観が変わってきているのは間違いないと思います。
企業経営を通して学んだ「ビジョン」の重要性
「企業も小さいうちはただの個人の集まりに過ぎないのですが、100人以上の組織になってくると自分たちの存在を定義する「情報」が言語として共有されていることが重要になってきます。」P98
会社を立ち上げてからの数年はビジョンなんかなくても勢いでなんとかなります。でも、ある段階を超えると組織としてビジョンがないといけません。
だから、本の中で書かれているビジョンの重要性はよくわかります。
多くの会社は明確なビジョンがないですが(あったとしても浸透しない)、景気が悪くても伸びていく会社はビジョンが明確でなおかつそれを社員全体が理解し、実現しようとしています。
なので、ビジョンが明確にある会社はそこで働く社員もブレないんですよね。
だから、「まだうちは…」と言わず、今からでもいいのでビジョンは明確に定めたほうが良いと思いますね。
中国の無人コンビニ
「中国ではSNSやスマホの決済に紐づいた信用スコアが存在していて、悪事を働くとこのスコアが下がり、SNSやスマホ決済の利用が凍結される可能性があります。」P141
今、日本ではコンビニの時短問題が問題になっていますが、24時間営業が必要であるかは置いといて、そもそもが無人であれば、今回のような問題も起きないんですよね。
だって、運営側としても人件費がかからずに24時間運営できたら今以上に収益は上がるでしょうし、客側の目線で考えてもあったほうが便利なわけですからね。
だから、現状は時短という方向に行くべきだと思いますが、米国のアマゾンGOや中国の無人コンビニのように日本にも早く無人コンビニが導入してほしいなと思います。
その気になれば、すぐにでもできるはずですから。
ベーシックインカム普及後の、「お金」
「巨大企業が公共サービスに近いものをほぼ無償で提供するなどして、生活コストを大幅に下げるという、企業による無償提供という意味でのベーシックインカムも考えられます。」P185
ベーシックインカムについてはいろんなところで議論されていますが、僕は日本という国レベルでの導入はまだまだ時間がかかると思っています。
でも、本の中で書かれているような巨大企業による無償提供という形でのベーシックインカムなら早い段階で実現できるのではないかと思います。
本の中ではグーグルが例として出されていますが、グーグルじゃなくてもアマゾンもできるでしょうし、アマゾン自体がすべてをアマゾンで扱うという形を目指していますよね。
だから、国によるベーシックインカムを期待するのではなく、巨大企業による無償提供を期待した方が良いだろうなと思いました。
「儲かること」から「情熱を傾けられること」へ
「この世界で活躍するためには、他人に伝えられるほどの熱量を持って取り組めることを探すことが、実は最も近道と言えます。」P224
引用した部分に書かれていることは本当にそうだなと思いました。
今までは商業的に成功する為にはどうすべきかをまずは考えるべきでしたが、最近ではそれが変わってきていて、本当に好きな何かに熱中している人に多くの支持やお金が集まっています。
これからお金の価値がどんどん下がっていきますが、そうなるとこの傾向はさら強くなっていくでしょうね。
だから、今までのような企業の肩書きで勝負ではなく、その人自身の独自性だったり個性が大事になるので人によっては最高に生きやすい時代が訪れますが、過去の価値観や考え方に縛られるとかなり苦しくなるだろうなと思いました。
感想
今回は全部で5つ紹介しましたが、他にも紹介したいところはあったので迷いました。
今、世の中はものすごいスピードで変わっていて、お金や経済のあり方もだいぶ変わってきています。
その変化を僕らはわかっているようでなんとなくしかわかっていません。
そのなんとなくしかわかっていないことを
この本が詳しく紹介してくれているので世の中がどう変わっていくのか、そして、どのような方向に向かっていくのか、を知りたいという方は読んでみるといいのではないでしょうか。
特にこれからの日本を支えていく若者は一度、読んでおくと新しい経済の歩き方が見えてくるのではないかと思います。
本日紹介した書籍情報
【書籍名】「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」
【著者名】「佐藤 航陽」
【出版社】「幻冬舎」
【出版日】「2017/11/30」
【頁数】 「263ページ」