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書評「フリーエージェント社会の到来」これからの時代にどう備えるか

2017年、政府が「副業解禁」へ向けて本格的に動き始め、2018年は「副業元年」になるのではないかと言われていますね。

2018年になるかどうかはわかりませんが、早い段階で副業が正式に解禁され、多くの方が副業を始めるようになるのは間違いないと思います。

ということで、今回は「フリーエージェント社会の到来」に書いていこうと思います。

アマゾンの内容紹介から

アメリカの労働人口の4人に1人が、本書で言う「フリーエージェント」という働き方を選んでいるという。フリーエージェントたちが、そういった働き方を選んだ理由、そしてその生活と仕事の実態が詳細に描かれている。著者が1年かけて全米を旅し、大勢のフリーエージェントたちに直接会って調査しているため、机上で練られただけの社会論にはない説得力がある。

第3章 デジタルマルクス主義の登場

「第二次大戦後数十年間は、個人が会社に忠誠を誓い、会社が個人に安全を保障するという単純な取引が、個人と組織とをしっかりと結びつけていた。人々は会社に言われた通りに働き、会社の方針に疑問を差し挟むことはほとんどなく、転職することもめったになかった。一方、会社は事実上、終身雇用と安定した給料、それにある程度決まった額の企業年金を従業員に保証した」P52

「しかし90年代に入ると、グローバル化の進展により新しい市場が生まれると同時に、新たな競争相手が生まれた。戦略的なミスや決断の遅い官僚的な体質など、様々な社内の問題のおかげで、変化への対応はますます後手に回った。そしてついに、IBMは解雇をしないという方針を捨てて、92年と93年に12万人の人員削減を行った」P53

この章では個人と組織の関係の変化について書かれていて、例としてIBM社とボーイング社が挙げられています。

この2大企業は「完全雇用」の方針を貫いていた企業でしたが、グローバル化の進展や業界内の熾烈な競争により、「会社はファミリーだ」という考え方は時代遅れで幻想であることに気づいたのだと書かれています。

「完全雇用」の方針がいいのか悪いのかは一概には言えませんが、国が副業や兼業を推進していることやAIやロボットの登場により、今後は今以上に会社と個人の関係性が希薄化していくはずなので、それを想定した上でどう働いていくのが自分にとって、ベストなのかを今一度考えいかないといけませんね。

第9章 オフィスに代わる「第三の場所」

「スターバックスなどのコーヒーショップは、私の言う「フリーエージェントのインフラストラクチャ―」のひとつだ。コーヒーショップ以外では、コピー店、書店に併設されている喫茶コーナー、エグゼクティブスイート、インターネット、大型オフィス用品店、私書箱センター、宅配会社の翌日配送サービスが、フリーエージェントのインフラに含まれる」P192

日本では国を挙げて「テレワーク」を推進していますが、ほんとに今はどこでも仕事ができる環境が整いつつあります。

僕が起業したころはテレワークで仕事をしている人間なんて、ほとんどいなかったのでここ数年ですごく変わってきたと感じます。

テレワークについては米国のヤフーやIBMが導入したものの、うまくいかずに導入を廃止した例もあるのでこれからも導入するのか、導入しないのか、議論されていくと思いますが、今後もこういったオフィス以外で働く人間は増えていくのは間違いないでしょう。

 

第14章 リタイヤからeリタイヤへ

「十九世紀には、人々は文字通り死ぬまで働いた。二十世紀には、引退するまで働いた。そして二十一世紀には、私たちは「引退(リタイヤ)するのではなく、「eリタイヤ」とでも呼ぶべき人生の新しい段階を迎えるようになるだろう」P281

「六十五歳以降の人生の生き方が変化してきていることは、社会全体の「依存」から「自立」への変化を反映しているとも言える。かつて当たり前だった「引退」という制度は、やがて歴史上の一時的な特異な現象として記憶されるようになるのかもしれない」

「eリタイヤが政治家に歓迎されることは想像に難しくない。政治的に難しい判断をしなくても、迫り来る年金危機を解消できる可能性があるからだ。eリタイヤする人が増えれば、年金の支給開始年齢を引き上げても国民の抵抗は少なくなるだろう。仕事をして収入を得る高齢者が増えれば、政府の社会保障税収入が増え、年金制度は破綻を免れることができるかもしれない」P286

(注:eリタイヤとは人生の新しい段階。六十五歳を過ぎても、これまでのように引退するのではなく、インターネットを駆使してフリーエージェントして働くことをいう)

2016年に発売され話題になった「ライフシフト」という本がありますが、ライフシフトにも75歳まで働くことを前提に働き方を考えていかなければならないと書かれています。

僕もこれには同感で日本の人口の割合や年金問題、今後の日本経済などを考えると最低でも75歳、もしくは80歳まで働く形が当たり前(場合によっては生涯現役の人も)になるだろうと思っています。

言い方は悪いですが、比較的恵まれた世代(現在年金を受給している人たち)の方々が会社を定年した後も(理由はさまざまありますが)アルバイトをしている状況なので、

その下の世代は当然働かないと生きていけない状況になるでしょうし、現在30代の僕が60歳を超える2050年の日本は人口の4割が65歳以上になると言われていることからインターネットを使った新たな働き方というのもアリだなと思います。

第16章 生活空間と仕事場の緩やかな融合

「オフィスに出勤して働くというシステムは無駄が多過ぎるとも言える。オフィスは一日の半分空っぽで、家は一日の半分空っぽだ。そして、人々は莫大な時間を費やして、車や電車、バスなどで自宅と職場を往復して、道路を傷め、空気を排気ガスで充満させている」P316

「やがて、ホームオフィスという言葉そのものが時代遅れに感じられる時代が来るかもしれない。家で仕事をするのが当たり前になれば、家の中にオフィスがあっても、家にキッチンがあるのと同じように、別に珍しいことではなくなるからだ」P321

東京都の人口は2025年をピークに減少するだろうと言われていますが、現状多すぎですよね。

都内の朝の通勤ラッシュはものすごいことになっていますが、これといった解決策がなく解消されていません。

多くの企業がテレワークを導入したり、出社時間をズラしたりすればいいのですが、足並みを揃えてやるのは難しいので当分はこの状況が続きそうですね。

第19章 ビジネス、キャリア、コミュニティーの未来像

「消えていくのは中間サイズの企業だ。規模の経済の恩恵を受ける企業はとほうもなく巨大化し、国家の規模に近づく。一方、企業の小規模化もさらに進行し、フリーランスやミニ起業は増え続ける。しかし、その中間の規模の企業は、消滅したり、存在感が薄まっていく。経済の新しい生態系では、たくさんの象ともっとたくさんのネズミが活躍し、その中間サイズの種は滅んでいくのだ」P368

僕の周りでもこの「企業のスリム化」を考えている経営者は多いですし、実際にスリム化をしている企業は数多くあります。

昔だったら自前でおこなわないといけなかったことも今なら簡単に借りたり、代行したりすることが可能で秘書代行サービスが月額4千円でできるというのを知った時は衝撃的でした。

今後も企業のスリム化の流れは続くだろうと思います。

感想

「フリーランス」として働く方は米国(2020年には人口の半分がフリーランスになると言われている)に比べたらまだまだ少ないのが現状ですが、最近の調査では日本の人口の17%がフリーランスとして働いているそうで今後はさらに増えていくだろうと言われています。

今までは「終身雇用制度」に守られていたので職を失う可能性は限りなく低かったですが、

2016年、シャープが台湾の鴻海精密工業に買収され、2017年は東芝の倒産が噂されたり、神戸製鋼のデータ改ざんやメガバンクの大リストラ、三越伊勢丹の早期退職、

などこれらのニュースを見てわかるとおり、終身雇用制度は崩壊しています。

又、国が推奨している副業などもこれからは普及するはずなので解雇規制が緩和し、雇用がより不安定になる可能性が高い。

じゃあ、どうしたらいいのか?

それは、会社からお金をもらうだけではなく、市場からお金をもらえるように”個人の力”を日々、あげていくことが大事であろうと思います。

2018年は「副業元年」となりそうなのでこれをきっかけに働き方を考えてみるといいかもしれません。

 

本日紹介した書籍情報

【書籍名】「フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか」

【著者名】「ダニエル ピンク」

【出版社】「ダイヤモンド社」

【出版日】「2002/04」

【頁数】 「394ページ」

ABOUT ME
朝比奈聡
朝比奈聡
新卒で営業会社に入社し、すぐにトップクラスの営業成績を残しエース社員に。その後、ベンチャー企業を立ち上げて、急成長企業にするも土日祝日仕事をする生き方に嫌気がさして、ひとり社長に転身。現在は、マーケターとして、個人や中小企業に経営コンサルティング・マーケティングコンサルティングを行いつつ、起業家としても多岐にわたる事業を展開している。
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