こんにちは、朝比奈です。
久しぶりに読んでみましたが、やはり素晴らしい内容ばかりでした。
「何年経っても色褪せない」本はいくつもありますが、そのなかでもこの「人を動かす」ほど”万人必読の書”と呼べるものはないのではないか、と思います。
名著中の名著である「人を動かす」について書いていきます。
アマゾンの内容紹介から
人が生きていく上で身につけるべき人間関係の原則を、長年にわたり丹念に集めた実話と、実践で磨き上げた事例を交え説得力豊かに説き起こす。深い人間洞察とヒューマニズムを根底に据え、人に好かれて人の心を突き動かすための行動と自己変革を促す感動の書。
重要感を持たせる
「他人の長所を伸ばすには、ほめることと、励ますことが何よりの方法だ。上役から叱られることほど、向上心を害するものはない。わたしは決して人を非難しない。人を働かせるには奨励が必要だと信じている。だから、人をほめることは大好きだが、けなすことは大きらいだ。気に入ったことがあれば、心から賛成し、惜しみなく讃辞を与える」p42
”褒められるのが嫌な人”もいなければ、”怒られて気分のいい人”もいない。
当たり前といえば、当たり前の話なんですが、ついつい僕たちはこのような簡単なことを忘れてしまいがちです。
特に日本人は褒めることが苦手で、言葉足らずなことも多いので誤解されがちです。
人間関係が希薄になってきている今だからこそ、もう一度この部分を考えないといけないですね。
聞き手にまわる
「商談の秘訣について、チャールズ・エリオット博士は、こう言っている。「商談にはとくに秘訣などというものはない。ただ、相手の話に耳をかたむけることがたいせつだ。どんなお世辞にも、これほどの効果はない。」P118
「話し上手になりたければ、聞き上手になることだ。興味を持たせるためには、まず、こちらが興味を持たねばならない。」P128
売れる営業マンには、必ずある”特徴”があります。
その特徴がこの「聞き上手」であるということです。
逆に、売れない営業マンは「常に話し手になりたがる」傾向にあります。
これは僕の会社でもそうでしたが、売れている営業マンはゴールまでの流れが感覚的(今までの売れた経験から)にわかっているので余裕を持って対応できるのですが、
売れる流れ(売れた経験が少ない人)が掴めてない営業マンはゴールまでの流れがわからないので、「とりあえず話さないと断られる」という恐怖感から決められたセールストークにはめたがる傾向にあります。
お客さんはどうしても心理的に押されると引くものなので結果、売れません。
どういった質問を相手に投げかけるか?という質を上げないといけないのはもちろんですが、「聞き役」に徹することが何より売れるためには大事であるということを常に考えないといけません。
人の身になる
「賢明な人間は、相手を理解しようとつとめる。もし自分が相手だったら、はたしてどう感じ、どう反応するだろうかと自問自答してみるのだ。原因に興味を持てば、結果にも同情が持てるようになるのだ。おまけに、人の扱い方が一段とうまくなる。」P229
「他人にものを頼もうとするときには、まず目を閉じて、相手の立場から物事をよく考えてみようではないか。どうすれば、相手はそれをやりたくなるだろうかと考えてみるのだ。この方法は面倒にはちがいない。だが、これによって味方がふえ、よりより結果がたやすく得られる。」P234
この「人の身になる」というのは、人間関係を円滑にするために最も大事なことですね。
日頃、僕たちはどうしても自己中心的に物事を進めようとしがちですが、相手の立場になって物事を考えないとうまくいきません。
さきほどの営業マンの話もそうですが、「相手の立場で考える」この視点があるか、ないかの違いが売れるか、売れないかの差だったりします。いくら話し上手でも自分勝手なセールスじゃモノやサービスは売れません。
営業以外でも僕たちは人と仕事をするわけですから「相手の立場になって考える」ことを今一度、考えるべきですね。
自分のあやまちを話す
「人に小言をいう場合、謙虚な態度で、自分は決して完全ではなく、失敗も多いがと前置きをして、それから間違いを注意してやると、相手はそれほど不愉快な思いをせずにすむものだ。」P281
基本的に人間は頭ごなしに言われると反発しがちで改善するどころか、もっと悪くなるケースがあります。
じゃあ、どうすべきなのか?
これは僕が実際に部下にアドバイスをするときに意識していたことなんですが、
「〇〇が素晴らしかったです」「〇〇は△△さんだからできた」
などと、まずは相手のプラスの面(良かった点や素晴らしい点など)について、いくつか相手に伝えます。そして、その後に本来伝えたい「事柄」を相手に伝え、アドバイスします。
すると、相手は聞き入れやすくなるのでよくこの手法は使っていました。
ささやかな心づくしを怠らない
「家庭不和の原因の大部分は、きわめてささいなことである。夫が出勤するときに、妻が手を振って見送りさえすれば、離婚が回避できるような場合がいくらでもある。」P335
「妻に対するささやかな心づくしの価値を軽く見すぎている男性が世の中には多すぎる。結婚の幸福は、ささやかな心づくしの集積によって得られる。この事実に気づかない夫婦は、不幸な結婚生活を送らねばならないだろう。」P335、336
この章では、夫婦間の関係性を良くするには、ささやかな心づくしが必要であると書かれていますが、これは夫婦だけの話ではなく人間関係全般に言えます。
大企業だとなかなか難しいと思いますが、勢いのあるベンチャー企業では部下の誕生日を上司が必ず覚えていて、記念日にはプレゼントや誕生日会を率先して行う会社もあり、そういった会社は業績が良い傾向にあります。
これは社内だけの話ではなく、取引先やお客なども同じことで関係性を良好なものにするには、ささやかな心づくしが必要でしょう。
感想
人間関係を良好なものとするには、”相手の視点に立って”物事を考えることが必要で、僕たちはそれをわかっているようでわかっていません。
わかったつもりなっている人がほとんどでしょう。
聞けば、「そうなんだよなーわかってるんだけど」と言ってしまいがちですが、「知っている」と「できる」では大きな違いがあります。
”相手の視点に立って”考えるというのは簡単に身につくものではないので何度も何度も勉強して体に覚えさせるしかありません。
これからも人間関係の真理は変わることはないので、職場やプライベートの人間関係で悩んでいる方などは一度読んでみるといいかもしれません。
本日紹介した書籍情報
【書籍名】「人を動かす」
【著者名】「D・カーネギー」
【出版社】「創元社」
【出版日】「1999/10/31」
【頁数】 「346ページ」